軍刀外装(3)0
English edition

新 軍 刀 の 鞘、駐 爪、刀 緒

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新 軍 刀 の 鞘 の 変 遷 と 種 類

陸軍 九四式: 材質は鋼製(下鞘朴材)で、塗色は帶青茶褐色(青味を帯びた茶褐色)と規定された。光沢塗りが多い。

陸軍 九八式: 材質は鋼製(下鞘朴材)で、塗色は帶青茶褐色(青味を帯びた茶褐色)と規定された。九四式と同じ。
        但し、国情変化により、鉄→アルミ→革覆い木鞘と変遷し、それに連れて外装品位も劣化した。
        初期型は、九四式鞘塗装の延長線上にあった。標準塗色以外に「朱・緑系」の光沢塗りもある。
        通常は「国防色・茶系」の半光沢塗りが多いが、士官の私物の為、鉄・アルミ鞘の塗色は千差万別。
        末期型は、略式の革覆い木鞘となった。

陸軍 三式: 九四・九八式に比べて機能・実用性重視の外装となった。防塵2分割口金を採用。鉄鞘では装飾だった責金物が省
        略された。九八式後期の革覆い木鞘(略式外装)に比べて品質・強度は格段に向上している。
        帝国陸軍最後の制式軍刀となった。佩鐶・金具は製作会社によって微妙に異なる。標準型と末期型がある。
        塗色は、黄褐色・緑系又は黒の平滑・石目・叩き塗装。

海軍 太刀型: 海上塩害への配慮から、朴材の木製鞘に黒皮、又は、黒漆を掛けた鮫皮着せと規定された。
        現物の確認では、「黒研出鮫皮巻」と「黒漆塗」の二種類が多い。
        大粒の研出鮫皮は鞘が灰白色に見える。茶研出鮫皮巻や黒漆塗以外の塗色もある。
        黒色系の鞘に金色金具の配色は上品。研出鮫皮巻に高級感がある。
        海軍刀は製作数が少なく、末期の例外を除いて、陸軍刀ほどの外装品位の落差はない。

1
陸 軍 九 四 式 の 鞘


         帶青茶褐色(標準色)

茶褐色

朱色

茶研出鮫皮巻木鞘


陸 軍 九 八 式 の 鞘


          帶青茶褐色(標準色)

赤褐色


             朱赤色


青緑


          黒研出鮫皮巻き木鞘


 末期型革巻木鞘(略式)

 
海 軍 太 刀 型 の 鞘



          黒研出鮫皮巻き木鞘

            黒漆塗り木鞘


          茶研出鮫皮巻き木鞘
 
 
紫檀色塗木鞘



陸 軍 三 式 の 鞘



           鉄鞘・黒叩き塗

           木鞘・赤茶色叩き塗り



   



九 四 式 陸 軍 刀

      九四式の第二佩鐶は着脱式。儀礼の正刀帯に佩く時に装着し、通常は取り外して略刀帯に一鐶で佩いていた。
      九八式はその実態を制式化したもので、軍刀外装として両者に基本的差異は無い。
 

着脱式佩鐶 (製作会社によって三方式がある)


            第二佩鐶を外すと九八式と同一    固定第一佩鐶      着脱式第二佩鐶





2

刀 身 留 め

 
 刀身が鞘から不用意に逸脱するのを防ぐ為、古来からの伝統的な「鎺(はばき)留め」以外に、軍刀が持つ独特の仕組みがある。
 金具による「駐爪(ちゅうそう)留め」、革バンドによる「ボタン留め」の工夫である。

 陸軍刀: 九八式初期型は「駐爪留め」、中期型は「駐爪留め」と「鎺留め」が混在。
      後期型は皮覆い木鞘に対応した「ボタン留め」又は「鎺留め」となっている。三式は「駐爪留め」。

 海軍刀: 伝統的な「鎺留め」が多く、金具による「駐爪留め」は少ない。
      これは軍刀の持つ意味合いと使用環境が陸軍とはかなり異なる為と思われる。


駐 爪 式

九八式・太刀型


    口金 駐爪   駐爪ボタン

口金に隠れている鉄鞘の穴に爪を引掛ける



      口金に爪を引掛ける


 駐爪の位置は、側面中央と下方の二種に分かれる。駐爪ボタンの大きさ(直径)・縁の駐爪ボタン用穴径も制作会社に依って異なる。
 鐔、及び切羽の合計の厚みに依って、駐爪の長さは一口(ふり)毎に調整されていて、安易な部品流用はできない。


三 式 Type 3


駐爪ボタン



九 八 式 略 式 外 装 (木製革覆い鞘)


       ボタン留め (この他各種方式がある)
      

   
                 縁巻革バンド           
          ベルト留め
      
           鞘革バンド    


革製小切羽一体型革バンド








3

刀 緒 と 階 級


 刀緒(とうしょ)は、官階の表示、抜刀時の柄握りの補強(右手首に巻き付ける)等、装飾・実用の役割は多彩である。
 軍刀外装には不可欠。

 陸軍刀緒: 平織(高麗織)、表面「茶色」・裏面は将校の官階による色分けがなされている。

      将官(将軍) = 大将・中将・少将: 赤(表裏に金糸を斜め点状に刺繍)・房糸: 金糸
      佐官    = 大佐・中佐・少佐; 赤・房糸: 茶と赤
      尉官    = 大尉・中尉・少尉; 紺・房糸: 茶と紺

 海軍刀緒: 平織(高麗織)、表裏とも「茶色」、士官の官階(将官=提督〜尉官)による差別は無い。


士 官 と 将 校

 「士官」は少尉以上の階級総称。士官と将校は厳密には違う。
 陸軍士官学校・海軍兵学校出身の 陸・海軍兵科士官は特別に「将校」と云う。将校は士官だが、士官は必ずしも将校では無い。
 然し、当時は、少尉以上の階級総称を陸軍は「将校」、海軍は「士官」と慣用的に呼んでいた。

 凡例: 本HPでは、当時の慣例呼称に従い、陸・海軍共通の場合及び海軍は「士官」を、陸軍限定の時は「将校」と表記した。
    (参考)
    陸軍: 准士官(准尉)、下士官(曹長・軍曹・伍長)、兵(兵長・上等兵・一等兵・二等兵)
    海軍: 准士官(准尉)、下士官(上等兵曹・一等兵曹・二等兵曹)、兵(上等・一等・二等・三等の各水兵)
              飛行下士官: 上等飛行兵曹(上飛曹)、一等飛行兵曹(一飛曹)、二等飛行兵曹(二飛曹)など ()は略称
時代で呼称が違う


士 官 刀 緒


          将官刀緒      佐官刀緒      尉官刀緒            海軍士官刀緒








← 刀緒両端を反対の糸で縁取った
  上等品がある

  品質と無関係に結び方は二種類ある →









  
   刀緒の結び方と品質
   左:上等品・右:並品






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