左: 野田少尉の実家にある写真立ての中の写真を切り出した。 左が向井少尉、右が野田少尉。 下: 写真下部にある説明書き (野田少尉自筆) 南京攻略戦常州駅ニテ 昭和十二年十一月二十九日 (大毎社佐藤特派員撮影) 両少尉とも、第二佩鐶を外した九四式軍刀を携えている。 百人斬り裁判で原告側証人として証言した元東京日日新聞(現毎日新聞)特派員 だった佐藤振壽カメラマンが浅海記者に頼まれて撮影したもの。 この写真が中国と台湾の反日記念館や反日教育に使われ続けている。 それに就いて佐藤カメラマンは「忸怩たるものがある」と述懐している。 |
右が野田マサさん、左が筆者 |
外装所見 細身の外装は遠目に見ると綺麗だが、それなりに傷んでいる。 野田少尉は騎兵用グルメットを使用しており、その為にグルメットと接触する 佩鐶周辺に塗装剥げが顕著に出ている。 戦地では野戦革覆いを付けていたので内地佩用の時の疵であろう。 金具に緑青が浮き、外装が補修された形跡は認められない。 往時の儘の状態と推測する。 切羽の不足は、恐らく戦後のご親族に依る何度かの手入れの際に、一部が欠落 したようだ。 個人情報保護の為、顔の一部をマスキングしている。見苦しい点はご了解下さい (総ての写真撮影は大紀元時報の相馬洋道記者に依る) |
切先側↑と物打部分の拡大(左) 共に地肌の荒れと刃の状態を対比して貰いたい。 若し、人を斬ったり、刃コボレなどの理由で刀身を研ぎ直したものな らば、例え70年を経過しても地肌はこんなに荒れるものではない。 贈与された時の刀身の状況は判らないが、思うに、この刀身は野田少 尉が佩用してから一回も研がれた事がないのではないだろうか。 贈与前からの古研ぎの状態で佩用し続けた結果のように思える。 ハバキを外して専門家が分析すれば確実な結果が得られる筈である。 そうだとすれば、この刀身は一回も人を斬ってはいないと言う事にな る。 刀身中央部↓: 切先側と同様である。 |
ハバキは固着し、頑として外れなかった 研ぎ減りして調製し直したハバキには とても見えない |
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