日本刀の考察
小林康宏遺作 0 |
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遺作展図録
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在りし日の小林康宏 私は、日本刀は芸美の極みであり、日本人の心の底に存在するなに
ものかだと常に思ってやみません。 日本刀は、限りなき美と比類なき堅牢さを車の両輪とするものです。 先人が造ってくれたこの作刀の理論を再現するために、私は年齢をも 省みず、まだまだ長い道のりを日々歩んでいます。(小林康宏) 1986年1月15日「山梨日日新聞」にて
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鈍色の空が重くのしかかる木枯らしが吹く初冬の頃、その知らせは届いた。 刀工初代小林康宏の没後二十五周年の遺作展が東京高輪で催されるという。 初代康宏遺作展は、平成二十五年一月十二日〜二十日の八日間、小林康宏工房があった ゆかりの地東京港区高輪の古書店ギャラリーで開かれた。 私は九州の友人と連れだって二日間に亘り見学のために上京した。 刀工二代目康宏を囲む往年の康宏作友の会である鍛人会 (かぬちかい)の仲間も何人も顔を 出し、10数年ぶりの二代目康宏との再会に旧交を温めた。 遺作展開催期間中は、初代康宏小林林(こばやし はやし)の子息である二代目康宏直紀が鍛刀工 房の弟子とともにギャラリーに立ち、来訪者に作品説明をした。 ← 二代・康宏(直紀)刀匠 遺作展にて、初代康宏刀匠の遺影を背景にして |
2.脇差 銘:(表) 康宏作 刃長 31.4p 反り 0.2p 刃縁沸えづいて金筋・砂流しさかんに働く |
3.脇差 銘:(表) 康宏之作
(裏) 西暦一九七五年四月 刃長 38.9p 反り 0.4p 乱れ映り、湯走り働く |
4.脇差 銘:(表) 康宏作之 (裏) 大正百年十月日 刃長 38.8p 反り 0.4p 金筋働く |
5.脇差 銘:(表) 康宏 (裏) 大正百年六月日 刃長 43.6p 反り 0.7p 刃中に金筋・砂流し盛んに働く |
7.脇差 銘:(表) 康宏 刃長 31.0p 反り 無し 互の目の刃縁豊に沸えづき、刃中所々 蔓(つる)状の働きあり |
8.脇差 銘:(表) 康宏 (裏) 大正百年十月 刃長 32.4p 反り 0.4p 丸棟、表裏に棒樋を彫る |
9.脇差 銘:(表) 康宏作 刃長 34.9p 反り 0.3p 小乱れの刃文匂い深く、表裏に二筋樋 |
10.短刀 銘:(表) 康宏 刃長 22.9p 反り 無し※ 直刃の匂い口明るく締り、表に腰樋、裏に護摩箸を彫る |
12.短刀 銘:(表) 康宏作 (裏) 平成廿二年十一月日 刃長 26.7p 反り 無し 刃中金筋、葉、砂流し働き、刃縁明るく冴える |
13.短刀 銘:(表) 古刀地鉄解明之為康宏造之 (裏) 於東都高輪 平成廿二年十一月二代康宏銘之 刃長 24.8p 反り 無し 乱れ刃匂い深く、刃中金筋働く |
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