九八式軍刀 (6)0

群水刀「群水兼宗」・造兵刀

Gunsui-tō "Kanemune", Zōhei-tō

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「群水兼宗」

中期標準型軍刀: 群水兼宗、群水刀、( 刃長: 64.3p・反り: 1.0p )、鉄鞘 (帯青茶褐色)、型打鐔、金属猿手、駐爪式、
尉官刀緒付 全長-p

Gunsui-tō "Gunsui Kanemune"

Gunsui-tō: "Gunsui Kanemune",  (blade length : 64.3p, Curve : 1.0p ),
Iron scabbard (bluish blackish brown) Metal knot loop (Sarute),
and spring-clip(Chuso) type, With the tassel for company officers-tassel, -cm in full length

                                    

中期型打 鍔。金具、柄糸は茶褐色。金属猿手
A guard (Tsuba) is golden. A metal parts and a Tsuka-ito are blackish brown. Round string knot loop (Sarute)









群水兼宗、近代刀
Gunsui Kanemune, Modern-tō


 







 

     
     






  銘: 群水兼宗作 (群水刀々匠)
  裏銘: 無し

   Mei: Gunsui Kanemune (Gunsui-swordsmith)
   Back Mei: Non




(小島克則氏所蔵)



群水刀の詳しい内容は、軍刀についての 「群水刀」 をご覧下さい


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造兵刀 (小倉陸軍造兵廠)

     標準型: 造兵刀(推定)、造兵廠刻印、(刃長: 65.0p・反り: 1.65p)、透し鍔、鉄鞘(茶色光沢塗)、駐爪式、
                         尉官刀緒付  全長: 96.0p

Zōhei-tō (Kokura Arsenal's blade for officers)

Standard type: Zōhei-tō、Arsenal stamp, Blade length:65.0p, Curvature:1.65p,
Mallow-shaped openwork guard, Iron scabbard: Dark brown. gloss paint, Spring-clip.
With the tassel for company officers, Overall length: 96.0p











樋付き中直刃 Naka-suguha
造兵廠製刀身 The arsenal blade








規定通りの丸紐猿手。古太刀のような柄反り
The round string knot loop as regulation. Hilt curvature like an old Tachi.

後期「造兵刀」には、初期の現代鍛錬刀と、末期の陸軍刀剣鋼を使用した九五式軍刀々身の改良型があったと推定されている。
この刀身は末期型と推定する。刃長と樋の形状からみて、将校用に販売された九五式軍刀々身でないことは確かである。


  



   
 ← 四つの砲弾マーク

 小倉造兵廠マーク    Kokura Arsenal mark:
 刻印は大変小さい    A stamp is very small.



 ←「セ」は小倉陸軍造兵廠第二製造所の検査印

 セ=Se of the katakana of a Japanese character.
 This inspection stamp is the Second Factory of a Kokura Army Arsenal.

 同じ小倉(東京)造兵廠でも第一製造所(検査刻印「ホ」)で造られた刀身は刃長
 と反りが異なる。
 特に茎の長さに大きな差があり、樋の長さも微妙に違う。
 その差が製造時期に依るものか、造兵廠毎に相違があったのかは不明。

 二つの製造所の刀身差及び造兵刀々身の精細写真はこちらを参照されたい。
 

この刀身は、樋の太さ、中直刃の刃紋、刀身緒元から見て九一式-九五式の下士用刀身ではない。
工廠専属刀匠が打った刀なら刀匠銘が入る筈である。
又、民間刀匠に委託したものなら茎は「星」刻印で刀匠銘が入らなければならない。
制式造兵刀の諸元が判らないので何とも断定出来ないが、この刀身と同じものが他に確認されている。
その刀身も茎に造兵廠刻印及び製造工場検査印が打刻されている。
従ってほぼ量産品とみられる。これらから判断すると、試製又は制式造兵刀ではないかと推測する。
只、外装は透かし鍔で、鞘の光沢塗りも初期型の雰囲気を漂わす。
何故三式外装ではなかったのか。刀身と外装のズレが少し引っかかる。
他に確認された物もこれと同様の柄反りを持ち、透かし鍔が付いている。柄は共に親粒つきのしっかりした外装である。
同一外装会社を使った可能性がある。
外装会社に依って金具に差があるので必ずしも初期型外装とは言えないかも知れない。
造兵刀の真相が明らかになれば別だが、現時点では制式造兵刀とみるのが妥当と判断した。

This blade is a mass-production blade for the officer forged with the Army Arsenal from 1943. A formality name is called Zōhei-tō." A blade has a tempered line of Naka-suguha and a fuller.

( 造兵刀写真提供 Photograph offer: Mr.Ronny Ronnqvist in Finland )

Ronnqvist氏は「日本-フィンランド文化友の会」の会長を20年間勤められている。
天皇・皇后両陛下のフィンランドご訪問に際してはご案内役を勤められた。
日本文化と日本刀に大変精通された親日家で、幕末から昭和終焉の日本の歴史に特に関心を持たれている。

Mr. Ronnqvist was the chairman of a Society called "Finland-Nihon Bunka Tomo no Kai" for 20 years already.
He is the collector who was very well versed in Japanese culture and a Japanese sword.
He is a Finn who got interested in especially the history of Japan of the Edo,Bakumatsu and Showa periods.



2013年10月29日より
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