九八式軍刀 (11)0
受難の「興亜一心」満鉄刀 (附: 満鉄刀・軍刀対談)
Kōa Issin-tō of misfortune
満鉄製作銘が削られた「興亜一心」刀
中期型: 銘:興亜一心、近代刀、(刃長: 66.7p・反り: 2.0p)、型打ち鍔、鉄鞘(国防色石目塗)、駐爪式、
尉官刀緒付 (全長: 97.5p)
Distortion of postwar Japan
Mantetsu-to by whom the name of the production company was deleted
Middle
type Mei: Koa Issin, Modern-tō, Blade length: 66.7p, Curvature:
:2.0p,
Mallow shaped guard
without an openwork, Iron scabbard: Dark olive. semigloss paint,
Spring-clip,
With the tassel for company officers, Overall length: 97.5p,
九八式軍刀装の興亜一心刀
中直刃、近代刀
Nakasuguha, Modern-tō
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← 年期銘: 昭和壬午(みずのえうま=17年)秋。従って「興亜一心 満鐵作」が正式銘である。
戦後、刀身登録を取る為に「満鐵作の銘とシリアルナンバー」が削り取られた。
戦後「銃刀法」の中の日本刀という解釈の歪みがなせる歴史遺産の破壊である。
民主的近代国家に於ては、後世の人間の主義・主張によって、決して過去の歴史遺産を破壊する
ことは無いし、又、絶対に有ってはならないことである。
タリバンによる磨崖仏の破壊は、その愚かしさの典型として世界の非難を浴びた。
戦後「銃刀法」は、内容の是非は別として、法律施行後に適用されるなら未だしも、GHQの徹底し
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た日本解体政策と日本人への洗脳が熾烈を極めたにせよ、その対象を過去の歴史遺産にまで遡及させるという国家的過ちを犯して
しまった。戦後の日本では、日本の近現代史、軍の概念などと同様、日本刀の概念もねじ曲げられたままとなっているが、早晩、
正常な国家群と同様にこうした歪みも訂正されなければならない。
鍔と六枚切羽
中央は中期葵形型打ち鍔。鍔から左右に葵形大切羽、菊刻み、小刻み
駐爪、目貫、猿手の各金具
(Mr.K.Morita所蔵)
※ 本ページの写真は、筆者が2016年末に完成させた刀身及び外装撮影専用装置により撮影されたものです
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満鉄刀・軍刀対談
「月刊秘伝」を発刊するBABジャパン社の特別企画によって、(財)日本美術刀剣保存協会・鎌倉支部幹事の出島宏一氏と筆者は、「満鉄刀・軍刀」と題して各々の想いを話し合った。
これは、2017年6月14日発行の「月刊秘伝7月号」で公開された。
日本刀概念を異にする美術刀剣界の会員との対談は初めての経験であった。
2017年6月16日より
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