搭乗員軍刀 (1)0

搭 乗 員 軍 刀

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短寸軍刀を持つ戦車兵と飛行兵
                        

搭 乗 員 軍 刀 に つ い て

 制式軍刀の規定に「搭乗員軍刀」という規定は無い。制式軍刀は、陸・海軍共に定寸を基本としていた。
 「定寸」とは刀身62〜3p、外装全長100p前後を指す。江戸時代の打刀を模範としている。
 然し、現実にはかなりの短寸外装軍刀が存在した。短寸外装には二つの理由が考えられる。

   1. 選択した刀身が止むを得ず短い為に外装も短くなった。
   2. 意図的に短い刀身と短い外装をを選択した。

 短寸外装は佩用した場合の見栄えが良くない。その為に、体面を重んじる軍人は、例え刀身が短くても定寸外装を選択している。
 従って1.のケースは希である。
 2.のケースは、定寸軍刀が不都合な為に明確な意図により調製されたものである。
 これらの短寸軍刀を必然とするのは、戦闘居住空間に制約を受ける兵科である。即ち、飛行、戦車、潜水艦等の搭乗員達である。
 このことから、短寸軍刀は通称「搭乗員軍刀」と呼ばれるようになった。然し、搭乗員達が必ずしも短寸軍刀を選んだ訳ではない。
 残存写真でも解るように、大多数の搭乗者達は定寸軍刀を佩用していた。
 搭乗員軍刀は兵種の特殊性から生まれた特注軍刀という事ができる。

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陸 軍 搭 乗 員 軍 刀



制式型 銘: 包則、越前國、寛文新刀、(刃長: 53.1p・ 反り: 1.3p)、黒鮫皮巻木鞘、佐官刀緒付
(全長: 80.5p)










 制式形態で鮫皮巻木鞘の外装。鮫皮巻木鞘では、山下奉文陸軍大将佩用の茶研出鮫皮巻木鞘の九八式軍刀が有名。
 年配の高級将校は、軍刀を軽くする為に重い鉄鞘を避けて、鮫皮巻木鞘や漆塗木鞘を特注で造らせた。
 これは高級将校用の特注品で特定の意図を感じる。陸軍航空隊での使用ではないだろうか。戦車の中では長すぎるように思われる。





異種型 銘: 備洲長船祐光
、備前國、寛文新刀、(刃長: 49.7p・ 反り: 1.5p)、特製革圧着木鞘、
尉官刀緒付 (全長: 71.5p)












 手彫りされた木の鞘と柄に革が見事に圧着され、縁金具も江戸期に見 られるような象嵌高彫りが施されている。
 極めて丁寧な外装である。歩兵科では少しでも長い軍刀を要求していたので、特定兵科での使用と思われる。
 外装は明らかに制式の鉄鞘よりは高価な特注品で、制式以外を佩用するには相当な理由があった筈である。
 革巻き木鞘の外装は軍刀を軽くする目的もあるが、周辺の機器を疵付けない為の配慮とも受け取れる。
 そうであれば狭い居住空間での航空隊か戦車隊の可能性がある。
 然し、それだけであれば、鉄鞘に野戦用革覆いを付けても解決できる話であり、場合に依っては制式に拘束されない「軍属刀」の
考えも捨てきれなかった。
 但し、最初から尉官刀緒付きということで、この尉官刀緒は定寸用よりかなり短い。特定目的の短軍刀といえる。
 将校軍刀は義務づけられた「私的装備品」だった。その為に、このような制式以外の外装も黙認されていた。






異種型  無銘
、美濃國・末古刀、 (刃長: 39.0p・ 反り: 0.9p)、革巻の柄と木鞘 (全長: 60.0p)  






 上の高級皮圧着外装と同じ吊鐶が使用されており、端出鍔も型打ち品である点に注意。このことは金具の量産があったことを意味
している。狭い居住空間及びその出入りの邪魔に成らないように鍔も小さくしたと見るのが妥当である。
 通常、この長さの脇差しだと、もう少し大きな鍔が付く筈である。航空隊又は戦車隊用途と推測する。



(上掲 松原 聡氏所蔵)(飛行兵写真: 陸軍飛行第244戦隊HP櫻井隆様ご提供)
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特攻短刀 ・小沢治三郎海軍中将配布の短刀 (附: 栗田艦隊謎の反転の真相)
 
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