九五式軍刀0

昭 和 1 0 年 制 定・陸 軍 九 五 式 軍 刀

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陸 軍 造 兵 廠 製 官 給 下 士 官 刀

皇紀2595年、陸軍が下士官(曹長・軍曹・伍長)用に制定した官給軍刀。
明治32年制定陸軍三十二年式軍刀(サーベル型甲=騎兵用・乙=徒歩用)の乙、および昭和7年の三十二年式改(刀身茎と柄を日本刀形式に改良・鞘はサーベル型)軍刀の後継軍刀である。
士官用軍刀とは異なり、刀身・外装共に量産規格化されている。帯刀本分兵も佩用した。




最初期型-T
 陸軍造兵廠東京(小倉)工廠製(刀身 4765東) (全長: 95.5p)

     柄(兜金・目貫・柄糸)は銅の一体整形品、縁も銅製、柄・縁は無塗装で銅の表面酸化皮膜コーティング。
     葵型装飾鍔・切羽は真鍮製の無塗装、鞘は真鍮製国防色塗装、蹄鉄石突は無い。
     大きな特徴は目釘が猿手受金具兼用スペースネジ一つのみ。外付け駐爪は柄の上部棟位置(約6,000本製造)。




   最初期型-U 陸軍造兵廠東京(小倉)工廠製(刀身 2905東) (全長: 96.0p)
(小島克則氏所蔵) 
最初期型-Tの鞘のみが鉄製蹄鉄石突鞘に変更。初期型に移行する過渡期のタイプと思われる

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初期型: 陸軍造兵廠名古屋工廠製(刀身9090T) (全長: 96p)

   柄(兜金・目貫・柄糸)はアルミニューム一体整形品、柄糸・兜金部分は茶塗装、鮫皮部分は銀(灰)色塗装、
   目貫は金塗装、葵型装飾鍔・切羽は真鍮製国防色塗装、鞘・口金・吊鐶は鉄製国防色塗装。縁は銅製無塗装。
   最初期型と同様に縁に造兵廠標章他三種の刻印を持つ。縁側に目釘ネジが追加され、目釘2個となる。

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中期型: 東京第一(小倉)陸軍造兵廠製(刀身118565 検査印 ? ) (全長: 96p)

   柄はアルミニューム一体整形品。簡易な円形鍔・切羽・縁は鉄製黒色塗装(一部過渡的に銅製無塗装縁あり)。
   鞘の佩鐶以降の塗色は、接収時に塗り直したもの。口金〜佩鐶部分までの色がオリジナル。

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中期型サイド駐爪: 名古屋陸軍造兵廠熱田兵器製造所関工場(刀身 関202171) サイド駐爪 (全長: 96.5p)

外付け駐爪の位置が、柄の側面に変更された (名古屋造兵廠製)

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末期型: 名古屋陸軍造兵廠製(刀身vシ211327) サイド駐爪 (全長: 99.5p)

   柄が物資不足から木製となる。これに伴い兜金は刀緒穴を持つ鉄製独立金具(黒塗装)となる。猿手を省略。
   柄は菱形筋彫りが入り、表面ニス掛け・黒塗装又は生地のまま等があった。外付け駐爪位置は柄の側面。

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最末期型: 名古屋陸軍造兵廠製(刀身vシ301573) サイド駐爪 (全長: 103.0p)

   深刻な物資不足により、木製鞘となる。これに伴い、蹄鉄型石突が士官軍刀石突に近い独立鉄製石突となる。
   更に、口金〜吊鐶一体型の鉄製金具=胴輪(黒塗装)が付く。




 鞘断面形状:
     最初期型・初期型は楕円形。中〜最末期型:角ばった長方形
 刀緒:
     葵型真鍮鍔にはバックル付き革刀緒。猿手と鍔穴を通して結ぶ。
     円形鉄製鍔を持つものは通常の革刀緒で、付け方は士官用と同じ。刀緒先端の房の中に号令用笛の入った物もあった。
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九五式軍刀目次 

         刀身・陸軍刀剣鋼   柄と細部   鞘関係の細部・帯刀本分兵   造兵廠標識
       


2005年2月より
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