三式軍刀0

昭 和 1 8 年 制 定 陸 軍 戦 時 型 軍 刀

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通称: 三 式 軍 刀

戦訓から、九四・九八式軍刀は「柄」と柄に纏(まつ)わる目釘と柄糸の脆弱(ぜいじゃく)性が問題とされていた。
この構造上の問題を改善し、且つ、時局柄、機能・実用に重点を置いた外装改訂を行った。
装飾性を排除して、責金・猿手を省略。鍔(つば)と金具は簡素化され、防塵2分割口金が採用された。
三式軍刀最大の改良点は、目釘を2個に強化した点にある。
この対応の為、刀身茎は一定の長さが必要であり、刀身選択には自ずと制約を受ける為、それに合わせた新作刀や造兵刀などが仕込
まれた。柄は一貫巻(実戦用天正拵え)に変更され、柄糸に漆を掛けて補強が図られた。
この他、目貫が旧来の太刀拵えから打ち刀拵えの位置に変更された。金具の色は黒塗色。
鞘の塗色は褐色系、緑系、黒系の三系統。末期には簡易金具となり、柄糸漆塗りも省略された。
                        ※ 日本刀は一般的に茎が短い。茎の長さの理想は九五式刀身参照  「長光」・「継延」も茎は長い


標 準 型




在銘: 長光 鉄鞘(外装全長: 101.0p)




在銘: 江村 鉄鞘(外装全長: 101.3p)




在銘: 水野正範 木鞘 (外装全長: 100.0.p)




無銘:  木鞘 (外装全長: 91.5p)





末 期 型




無銘:(外装全長: 100.3p)
柄糸漆塗省略、縁・佩鐶・石突形状が異なり、挽き物丸棒猿手付き、縁・石突の桜花模様無し





在銘: 継延 群水刀  
柄糸漆塗省略、鞘: 木製和紙蛭巻漆塗。縁・口金・石突=プレス製、特殊目貫、縁・石突の桜花模様無し




標準型と末期型との相違点

末期型は兜金・縁・口金・石突が簡素化され、鋳物又はブレス製となり、形状も異なる。石突の「桜花」、縁の「葉」模様も省略さ
れ、佩鐶形状も掲載例の様に異なる物がある。
末期型の上段は、兜金形状の変更で丸棒挽き物の猿手が付いている。下段は目貫も異なる。
物資の枯渇で標準在庫部品と新製簡易金具を使い、金具の組み合わせが多岐に亘っている。目貫も、打ち刀と太刀拵えの位置が混在
し、柄糸一貫捲きの巻き方も種々ある。

標準型外装細部は「長光」・「江村」参照


 陸軍特攻「富嶽隊」

 四式重爆撃機の富嶽隊は昭和19年11月7日〜20年1月12日まで比島クラーク基地
 から数次に亘り特攻出撃して散華した。
 出撃直前、日章旗に寄せ書きを残す富嶽隊の飛行将校。
 その右横に立てかけてある三式軍刀と九八式軍刀の柄が明瞭に写っている。
 軍刀を携えて特攻出撃して征った状況を示す貴重な映像である。

 従来、三式軍刀の写真はほとんど確認できていなかった。
 この写真により、三式軍刀の使用状況が確認された。
 
 (別冊1億人の昭和史「特別攻撃隊」毎日新聞より)

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三式軍刀目次  

    長光   江村   水野正範・無銘(短寸軍刀)   継延(群水刀末期型)・無銘(末期型)・池田國忠    

                       三式新軍刀報道資料

2005年2月より
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